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塗り替えの心得

1級塗装技能士が教える「失敗しない塗替えの心得」

①そもそも外壁や屋根って塗り替えが必要なの?

断言致します、間違いなく必要です。
ただし、タイル張りなどの外壁の場合は塗替えはいりませんが、長期間経過するとタイルが剥がれ落ちたりするので何かしらの補修や手入れは必要になると思います。
また、屋根の場合は予算があれば塗装より、板金工事でカバールーフをするのが良いかもしれません。
本題に入りますが、そもそもなぜ塗替えが必要か??
もともと工場で製造された時点で、屋根材・外壁材には塗装を施してあり、
なぜ塗装してあるかと申しますと、表面を塗装で保護しない素地のままですと、雨や結露や霜でたちまち水分を含みカビやコケが発生します、または紫外線を直接あびて劣化が進み破損してしまうからです。
塗装により塗膜が形成され、素地を水や紫外線から守る大切な役目をしているのです!
今では、機能性がある塗料も多く、紫外線に強い遮熱塗料、熱に強い断熱塗料、防水機能が高い弾性塗料、チョーキングがでにくいラジカル制御塗料、汚れにくい超低汚染塗料と多種多様に塗料の選択肢も多くなっています。
塗料の選定には、素地の種類や劣化状況に応じたものが第一条件で、あとは予算や機能性や環境を考慮して専門の業者さんなどにご提案してもらうのがよいかと思います。
そして、塗装が必要な理由として美観をよくする事も大きな理由ですね、自分好みの配色や模様にデザインするのも楽しいと思います。

②適正価格って!?

価格を比較検討するために、塗装する業者さん3社以上から見積りを出してもらう事で、より適正な価格が分かると思います。
まずは、見積り内容に詳細(使用する塗料・作業工程・塗装ヵ所)が載っているか確認します、内容が違うと価格も違いますので出来るだけ同じ内容(使用する塗料・作業工程・塗装ヵ所)で見積りしてもらうのが良いです。
そこで、全く一緒の塗料を指定して各業者さんで見積りをだして比較しましょう。
例えば、今主流に成りつつある水性シリコンでラジカル系のプレミアムシリコン(SK化研)やアレスダイナミックトップ(関西ペイント)がわかりやすく比較できるかと思います。
あとはカタログを貰いメーカーの推奨している下塗り材や塗り回数、作業工程も確認しましょう。
外壁塗装の仕様が確認できましたら、その他の付帯塗装もどこまで塗るのか確認、よくあるのがベランダの床が入っているかいないかで価格の違いが出てきます。
条件が揃ったところでやっと価格を比較する事ができます。
同じ条件なら、価格が安い方が良いのですが1社のみが格安だとか、塗装に関して詳細に説明できない業者さんは、下請けに全て丸投げで中間マージンだけを取っている業者さんかもしれませんのでできるだけ細かくご質問するのが良いでしょう。
あとは信頼できる業者さんかは、最終お客様のご判断になるかと思います。

③塗料って結局どれが良いの!?

塗料の種類は大変多くて、素人さんでは全くの未知の世界ですよね。
現在の主流は、シリコン塗料が多く使われておりますが、シリコン塗料でも種類が多く存在します。
大きく分けると、溶剤(油性)か水性か分かれますがその中でも、硬化剤と主剤を混ぜる2液形か主剤のみの1液形か分かれます。
ザックリ分けても4種類になり、細かく分けると遮熱機能や弾性系や低汚染性や最近ではラジカル制御など機能・付加価値が付いて様々なシリコン塗料があります。
一般に手軽に安価に塗替えで使用されているのが、水性シリコンが多いですが外壁はともかく屋根には最も耐候性が求められるので、当店では水性シリコンはあまりお勧めしておりません。
塗替えスパンなどのランニングコストを考えますと、高級塗料のフッソ塗料や無機ハイブリッド塗料などの超耐候性がある塗料などが良いですが初期投資が高く付きますので、少しでも価格を抑えて、尚且つそこそこ耐候性がある塗料となると2液形弱溶剤シリコン塗料でJIS認証で当店では、5年間保証付きでお勧めしております。また、高機能性のシリコンの仕様ですとメーカー10保証付きもあるので大変お勧めです。

④半永久に持つ塗料ってあるの!?

簡潔に言えばありません。
しかし、半永久の言葉を信じてセラミック塗装をしたと言うお客様の家を、当店では何件も塗替えております。
しかも、10年どころか2,3年経過で色あせて表面のクリアー層が剥がれるなどの症状で通常の塗膜より酷い事が多いです。
こうなると、通常に塗替えもできずに、一度表面を樹脂モルタルで埋める工程が必要になり、費用も掛かります。
セラミックや半永久に持つなどの言葉には気を付けましょう。
ただし、ガイナ塗装(セラミック塗材)に関しましては、当店も講習を受けてどんな塗料なのかを事細かく理解しましたが、宇宙ロケットの先端にも使用されている技術だけあって、機能性は他の塗料とは全く違ったもので、耐候性もフッソ塗料と同等なので、この先使用も増えていく塗料の一つだと思います。

⑤付帯塗装も大事!
チェックしましょう!!

付帯塗装と言えば、屋根、外壁以外のお家に付随している箇所で、雨戸・シャッター・軒裏・破風・鼻隠し・樋・ベランダ床・庇・鉄部などもろもろですが、これを甘く考えてはいけないです。
特に付帯塗装を、手抜きで下塗りなしで上塗り1回で仕上げるのと、下塗りを入れて仕上げるのでは全く手間が違います。
そもそもコストを抑えるのに一番効果的な事は、塗料代を抑えるよりも職人の手間代を抑える事です。すなわち工程を省く事が一番大きなコスト削減になります。
そこで付帯部分の塗装を手抜きし低価格での塗替えをする業者さんも少なくありません。
特に、雨戸やシャッターなどは手抜きで仕上げますと、後に剥離するケースが多々あり、これも次回の塗替えの際にはキレイに仕上がらなくケレン作業に余計に費用が掛かるなどの、デメリットが多くなります。
当店では、車の板金用の塗料レタンPG80を使用します、下塗り材も専用のものを使用しますので通常のシリコン塗料より遥かに耐久性・耐候性があります。
(※前回の塗替えで上記の様な手抜きの塗装では、この塗料は使用できません。)

⑥大幅値引きって大丈夫!?

少々の値引きなら、業者さんの努力しだいで何とかなりますが、大幅な値引きの場合は努力ではどうにもなりません。
赤字覚悟やボランティアで施工する業者さんっているでしょうか?
生活が出来なくなるほどの単価で施工する職人さんっているでしょうか?
最低限の利益がないと誰もしませんよね!
そこでどうするかと言いますと、付帯塗装の項目でも触れましたが、塗料代より職人の手間代を削るほうが大きのでまずは手抜き工事を疑いましょう。
次に塗料代ですが、大量に塗料を仕入れて単価を落としたり、
塗料のグレード(ウレタン、シリコン塗料の中での質)を落とすなどでは、少々のコストは抑えれても大幅に値引きできるほどのコスト削減にはなりません。
結果、大幅に値引きできるのは手間代と塗料代を削る可能性が大変高いです。
または、元々の価格設定が他社よりも大幅に高い見積もりを出しているなども考えられますね。
見積りでは、グレードのよい塗料でも極端な値引きや他社との見積もり金額差が大きい場合は要注意ですね!

⑦訪問販売って信用できるの!?

お家のリフォーム工事が多くなる一方で、リフォームの中でも外壁塗装のトラブルが大変多くて、その中でも訪問販売での塗装工事が多いようです。
注意すべき点をいくつか紹介します。
・不安を過剰に煽る。
・半永久的などの長すぎる耐候性を提示する。
・大幅な値引きをする。
・契約を急がせる。
・自社のオリジナル塗料を勧める。
・詳しい専門的な事が説明出来ない。
・職人が塗装技能士の資格を持っていない。

以上の点をチェックしてみましょう。
中には、健全な業者さんもいるので頭ごなしに追い返すのは止めましょうね!
良く話を聞いた上で、即決はせずに他社にも見積もりを取り、時間を掛けて検討するのが良いでしょう。

⑧保証付きの塗替えって安心!

確かに、保証が付きますと安心感はありますよね。
実際に保証が無いよりは、有った方がいいです。
大きく分けて2種類の保証があります、1つは自社独自で保証する場合と
塗料メーカーとの提携により、メーカー保証が付く場合とあります。
ただ、自社独自の長期保証は考えものです。
お客様の中でも、以前にそういった自社10年保証付きの業者さんへお願いしたケースが何件かお聞きしていますが実際に対応してくれたケースは0件です。
しかも、2年ぐらいでコケが大量に発生し、汚れが酷かったり最悪のケースでは外壁の塗膜に剥離が起こっておりました。
どのような対応だったかお聞きすると、電話が繋がらない、倒産した、保証の対象外だとかで実際には対応されないとの事でした。
10年保証ができるとすれば、ハイグレードの塗料でフッソや最近では無機ハイブリッドなどの長期に耐候性がある塗料でなければ保証するのは難しいと思います。
そして何より大事な事は、塗装前の下地処理を如何に丁寧にするかで耐候年に大きな差がでます、これを怠るとどんなによい塗料でもすぐに劣化してしまします。
実際の環境は地域ごとで違い、条件も建物や施工する時期によりすべてが現場毎に違います、同じ条件で施工できる事など不可能に近い中で、毎回長期に保証が出来るなど施工業者側にすれば正直リスクが高いので、現実的には期待耐用年数の半分ぐらいの年数が保証できる年数だと私は考えております。
また実際に自社のみで10年保証を確実に実行できる業者さんは、ほんの一握りだと思います。
それともう1つ大事なのは保証の内容です、どこまでが保証対象なのかは、事前に確認しておかないと対象外だと言われれば、保証付きの意味がありません。
あとメーカー保証の方でも近年では、無機ハイブリッド塗料が出てき事で長期保証が出来るメーカーが何社か出てきました。
当社では、アステックペイントの超低汚染リファインなら10年のメーカー保証が付けられるようになりました、是非お問い合わせ下さい。